食と音楽と

良い食事と良い音楽は人を幸せにするって本当かしら? 46歳でADHDと判明後解雇され無職となった今を綴る

無添加食品は本当に安全安心なのか

本文からが本ブログの趣旨です。

私は国立大農学系学部学科を卒業後、厚生労働省登録検査機関にて、主に輸入食品の検査、分析業務に約10数年携わってきました。

日本の食糧自給率は昨年度で38%、市場に出回っている実に6割の食糧・食品が海を越えて日本国内に流通しています。その食品を、輸入業者が国内に食品として流通させるためには、税関にて通関を行い、検疫所による審査、命令検査を経て総合的に判断された後、「輸入許可書」が発行され、初めて輸入・流通されます。

 

諸外国から日本国内に流通するまで、欧米からは製造後最短で3ヶ月(コンテナによる航送)、航空便では1ヶ月要する訳ですが、現地メーカーから国内消費者の手に渡るまでに相当な時間を要し、この期間の安全性について、輸入者は担保しなければなりません。

 

製造後保存温度帯が決められ、低温(冷凍・冷蔵)保持が必要な食品については、リーファーコンテナ(reefer container)により輸入が行われ、安全性確保に貢献してています。

しかしながら、コンテナに積み下ろしや国内流通時の店頭ではわずかな温度上昇により温度上昇により変質(変敗や腐敗)の可能性があるならば、それを予測し、安全に流通させるのが製造者の義務となっているわけで、その場合、食品添加物である「保存料」のチカラを初めて借りることになります。

 

食品添加物は、製造者が自由に使って良いのではなく、「食品添加物の使用基準」により厳格に定められており、自分たちの利益のために過剰に使用されることは決してありません。

例えば、輸入時の食品に使用されている「保存料」について、検疫所の指示により、使用添加物と使用量(mg/kg)を分析機関が実際分析を行い、「食品添加物使用基準」に基づき適切に使用されているか確認された後、初めて輸入が許可されるのです。

もちろん、添加物以外にも、微生物検査がなされ、日本の食品衛生法の基準を満たしているかも試験されます。

 

食品添加物害悪論者にとってみれば、得体のしれない化学物質が”自由に使われ”人間の体内に入り込んで害が発生するかもしれない、などと論じていますが、はたして適切なのでしょうか?

 

添加物を使用しないで劣化腐敗し、場合によっては食中毒になるリスクと、なんだかわからない化学物質で不安になるリスクのどちらを選ぶか、消費者にとって選択する自由があると思いますが、この場を使用して、「正しく怖がる」スキル向上にお役に立てましたら幸いです。